小澤征爾のチャイコフスキー「交響曲第6番」 [音楽]
2008年5月16日(金) サントリーホール 指揮 小澤征爾 演奏 新日本フィルハーモニー
感情表現の豊かな、素晴らしい演奏だった。さすがは、小澤だ。
この曲は、小澤以外の演奏でも何回か聴いたことがあるが、久しぶりに鳥肌が立った。
小澤征爾が全身全霊で指揮をしている姿に、思わず引き寄せられてしまった。
彼は戦っている。作曲者であるチャイコフスキーと会話をしつつ戦っている。
そして、自分自身とも戦っている。
指揮をする表情からは、そんな印象を受けた。
73歳とはとても思えないエネルギッシュな指揮に、沢山の力を貰った。
第3楽章の勇壮なメロディーでは、小澤のエネルギーが演奏者に伝わり、
さらにそれが音のエネルギーとなって、私の全身にビリビリと伝わって来るのだ。
第4楽章の、とてつもなく悲しく重苦しく、絶望感が漂うメロディを、迫力と緻密さで表現していた。
悲愴感というひとつの感情の強さを表現するにも、エネルギーが必要なのだ。
第4楽章が終わろうとした時、聴衆の目が小澤の指の動きを追い、
ホール全体が静寂に包まれ、ステージと客席が一体となった。
聴衆が息を呑む。
チャイコフスキーが伝えたかったのであろう、『無』を感じた瞬間だった。
感情表現の豊かな、素晴らしい演奏だった。さすがは、小澤だ。
この曲は、小澤以外の演奏でも何回か聴いたことがあるが、久しぶりに鳥肌が立った。
小澤征爾が全身全霊で指揮をしている姿に、思わず引き寄せられてしまった。
彼は戦っている。作曲者であるチャイコフスキーと会話をしつつ戦っている。
そして、自分自身とも戦っている。
指揮をする表情からは、そんな印象を受けた。
73歳とはとても思えないエネルギッシュな指揮に、沢山の力を貰った。
第3楽章の勇壮なメロディーでは、小澤のエネルギーが演奏者に伝わり、
さらにそれが音のエネルギーとなって、私の全身にビリビリと伝わって来るのだ。
第4楽章の、とてつもなく悲しく重苦しく、絶望感が漂うメロディを、迫力と緻密さで表現していた。
悲愴感というひとつの感情の強さを表現するにも、エネルギーが必要なのだ。
第4楽章が終わろうとした時、聴衆の目が小澤の指の動きを追い、
ホール全体が静寂に包まれ、ステージと客席が一体となった。
聴衆が息を呑む。
チャイコフスキーが伝えたかったのであろう、『無』を感じた瞬間だった。
エネルギーが体の奥に届くような音楽っていいよねー
by HAL (2008-05-17 16:59)
73ですか、凄いですね。
by こうちゃん (2008-05-17 17:45)
☆HALさん
はい。今回の演奏は、小澤のエネルギーがグーッと来ちゃいました。
やっぱり、生はいいですよ~。
☆こうちゃん
そうなんですよ。73歳なんて信じられないくらい、スッゴイです!
指揮を見ていると圧倒されますよ。
by サァファイヤ (2008-05-17 20:27)
この曲は師匠のカラヤン・ベルリンフフィル版(何年の録音だかは忘れましたが)を持ってますが、最近音楽はサッパリです。小澤征爾氏、カラヤン師匠に似てきたって言うけどどうかしら?
ちなみに、小澤征爾氏が指揮者になったキッカケはラグビーらしいですね。
by rugbyhead (2008-05-17 20:55)
☆rugbyheadさん
印象としては、小澤氏はカラヤンに似てきているかもしれません。
まあ、そこまで聞き分ける程の知識も耳もないんですが(^^;)
そうなんです。実は、小澤氏もラグビーをやっていたんです。
当時、ピアニストを目指していた小澤氏が、ラグビーで指を骨折し、
ピアニストを諦め、指揮者の道に転向したらしいです。
ラグビーで怪我をしなかったら、違った小澤征爾氏になっていたかもしれないんですよね。
小澤征爾氏がラグビーを語ったら、どんな内容になるのかなぁ、
なんてひとりで考えたりしてます。一度でいいから、聞いてみたいですね。
それに、国歌は小澤に指揮をしていただきたいわぁ。
by サァファイヤ (2008-05-17 23:35)
追記:小澤征爾氏がカラヤン氏に似てきたのは、日本一の音楽評論家であろう吉田秀和氏の指摘です。
by rugbyhead (2008-05-17 23:58)
日本のクラシック界では、数人の有力指揮者だけにスポットライトが当たってしまい、あとは指揮者の名前では観客が来ないような状況なのが寂しいです。
「のだめ」などの影響で多少関心が高まって来てはいるものの、ほとんどの楽団が赤字続き。
悲しい話しです。
by 南雲しのぶ (2008-05-19 19:11)
「無」良いですね!
73歳、もうすぐ後期高齢者?
by 袋田の住職 (2008-05-19 21:08)
パワーを使うんでしょうね、指揮って。
体調を崩されて2公演中止になっちゃったみたいですね。
by cloud9 (2008-05-20 17:00)
☆rugbyheadさん
追記までありがとうございます。吉田秀和氏はお名前は存じてます。
なかなか表現が鋭い評論家ですね。
☆南雲しのぶさん
音楽の世界も力の世界です。小澤征爾氏くらいになると、それだけで集客力はありますね。しかし、小澤氏は若手の育成にも熱心です。これから育ってくる音楽家にも期待していますよ。
しかし、日本には芸術を重んじる文化が乏しい気がしますね。楽団が赤字続きなのかは確認していませんが、おそらくそうなんでしょう。バブル期の「企業メセナ」という言葉は、すっかり消えてしまいましたね。
by サァファイヤ (2008-05-22 16:11)
☆袋田の住職さま
この「無」にはいろいろな意味が込められているんだと思います。
小澤氏には後期高齢者という表現はおおよそ似つかわしくないですね。
素晴らしい演奏でしたよ。
☆cloud9さん
そうでした。体調を崩した時は心配しました。
でも、こうやってステージに立つ小澤氏はパワー全開、圧倒されましたよ!
by サァファイヤ (2008-05-22 16:19)