どうした？！神戸製鋼よ！

　はじめまして。いきなり、ラグビーの話題です。

　ラグビーのトップリーグが、今日で終わった。
　私が応援している神戸製鋼は、昨シーズンの優勝から5位に転落した。
　最近の神戸製鋼は、おかしい。かなり深刻な状況だ。

　日本では、ラグビーはマイナーな競技だが、格闘技の激しさと、球技の華麗さを両方兼ね備えた、究極のスポーツだと思う。
　ルールの範囲内であれば、ボールを持って走っても、蹴っても、パスをしてもいい。いわば、ボールを奪い合う“戦争”なのである。

　過去、神戸製鋼は日本選手権、7連覇を達成し、その後連覇は途切れたが、再度復活し、2度の日本選手権優勝。
　昨シーズンより新しいシステムになった、トップリーグでは見事、初代チャンピオンになった。
　そのチームが、今シーズンは5位に転落してしまった。ファンとしては、残念でならない。

　今シーズンのゲームを見ていても、以前のような、チームとしてのシステマティックなプレイが見られない。個人技で、なんとか勝っているという感じである。

　このことを考えてみたのだが、チームとして、組織が崩壊しかかってるのかもしれない。そう考えると、今シーズンの、歯車がかみ合ってないゲーム内容、個人技で勝った、というのは合点がいく。

　つまり、チームとしての求心力をなくしている。

　増保監督がどんな考えをもって、指導しているかはわからないし「優しすぎる」のかもしれないけど、わたしには、それを知る術はない。
　ただ、地元の神戸ファン情報によると、中道はFWのコーチとして、かなり厳しい練習をしているようだ。
高森も、斉藤も怪我してゲームに出られなくなってしまったらしい。まぁ怪我も実力のうち、と言えばそうなのだが。

　深刻なのは、選手たちの気持ちがバラバラになっている、こと。Ｖ７の頃の神戸は、スタメンに入ること自体が、既に競争だったかったから、選手自身が必死に自分自身を律して、トレーニングをしていた。しかも、当時は監督もコーチも置かずに、キャプテンが引っ張っていたし、それでも、誰に言われることもなく、選手たちは『自主的』に必要なメニューを黙々とこなしていたと思う。「大人の集団」だった。

　同じポジションのヤツを蹴落とさなければ試合には出られなかったから、いわば、チームメイトもライバルだったわけだ。
　しかし、出られなかった選手の分の責任も背負って、ベストパフォーマンスと闘志で勝ち続けた。それは、仲間に対する、礼儀ともいえるだろう。「俺はお前の分も、戦ったぜ」と。

　いまの神戸には、以前ほど選手層に厚みがないから、選択の余地もない。だから、スタメンに選ばれなかった時の悔しさも味わうこともなく、プレイできるありがたさも分からないのかもしれない。そうすると、どうしてもゲームに対する緊張感と、闘志が希薄になってしまう。

　松原キャプテンの「仕事をしていない選手がいる」という発言は、実感なんだと思う。仕事をしなくても、代わりがいないから、競争も無くスタメン入りできてしう。だから、そういう選手たちには、どうしてもプレイに甘さが出てしまう。

　監督やベテランの言うことなんて、うっとうしい、という考えが、もし選手の中にあったとしたら、まず、チームの一体感なんて生まれない。当然、ゲームでもそれは、プレイとして表れることになる。
　今シーズン、組織として機能していない、というのもこれで納得できる。選手同士での信頼関係が、薄くなってるんじゃないのか？

　チームの中に一人でもそういう考えで行動する選手がいると、他の選手にもうつっていく。そういう“雰囲気”が、いまの神戸にはあるのではないか。
　どうやら、戦術、技術云々というよりは、このイヤな雰囲気が、神戸というチームをダメにしている気がする。

　これを活性化されるためには、『新しい血』を入れるしかない。つまり、次の「新戦力」が大きな鍵を握るってことだ。
　彼らが「俺が、神戸を強くしてやる」というくらいの気概を持って、プレイをしてくれれば、甘っちょろい考えの選手は、自然と淘汰されていくはず。
　新入部員達には、いまの雰囲気に毒されることなく、「新生神戸」を作ってもらいたい。

　東芝やＮＥＣ、トヨタも、辛酸を舐めた経験があるし、今年は「優勝してやる」という貪欲さがある。
　だから、厳しい練習でも耐えられるし、怒鳴られても、熱く応えられる。

　高校ラグビー、啓光学園の4連覇は立派だった。レベルも高く、とても高校生とは思えないほど身のこなしも、判断も上手かった。見ていても、興奮した。

　神戸製鋼よ、高校生に負けるな。

　このままだったら、ベテランがいなくなった時点で、神戸の時代は終わってしまう。
　そうならないことを、切に願う。

コメント 6

ども、小堺です。
ふ～む、なんだかねぇ。さっき話したことの繰り返しになりますけど、神戸には「判断力の総和」で戦っていくか、「パターン化」して戦っていくか。はっきり選択すべき時期に来てると思います。
消極的な理由で監督制を敷いてもまあ、効果は出ませんし。それは、ますます個々の判断力を鈍らせるだけになりそうですな。何の為に今季から監督制にしたのか？考えないとね。
by こざ (2005-01-16 16:12) 

おお、こざクン。久しぶりじゃのう(笑)。
キミは記念すべきこのブログ初、「コメント&nice」をくれた投稿者だよ。
ありがとう、パチパチパチ(拍手)。

「実験説」は奇想天外だが、そうでも考えないと、ファンとしては治まらないよね。神戸のラグビーが何故、他のチームのラグビーとは違い、観ていてワクワクするかというと、それは、選手の「センス」や「判断」によって、ゲームを組み立て来ているからなんだよな。
監督制になったということは、神戸もとうとう「指示待ち族」の集団になってしまったのかもね。選手自身で自発的に行動をすることが出来なくなった。だとしたら、悲しいことだな。
by サファイヤ (2005-01-16 18:21) 

やっぱり書くならこれかな？難しい事は書けないけれど・・・
個々に、試合ごと自分自身と向き合って頑張って行こう！と思っている選手はいるけど、何故？それを一緒にやってる他の選手に求めないんだろう？と、不思議に思ってた。求めているのに、答えてくれてないんだろうなぁ。個々の“頑張る”とゆう度合いの違いがあるんだろうなぁ。試合観てるとその温度差が目に見えてわかってしまう…もう試合中に「何故そんな事してる？」とがっかりさせられるのはゴメンだよ〜！『all for one,one for all』とゆう言葉をも一度しっかり考えてプレイして欲しいものです。（ホントにこんな簡単なコメントですいません苦笑）
by きょん (2005-01-19 23:53) 

きょんちゃん
コメントありがとう。お返事、遅れてスミマセン。
>それを一緒にやってる他の選手に求めないんだろう？と、不思議に思ってた。求めているのに、答えてくれてないんだろうなぁ。
そうです、そうです、その通りなんです。
一緒にやろうとしない、アサッテの方を向いている選手は『自覚』が無い。
本当はそんな選手は、スタメンにいてはいけない人間なんですよ。
やはり、「温度差」があるのかなぁ。
明日のゲームは、温度差なし、ガッカリなしのゲームで、勝利を願ってるよ！
by サファイヤ (2005-01-22 23:00) 

TBありがとうございました！初記事から重厚な文章ですね＾＾。今まで結構初記事を巡ってきましたが、珍しいケースかもしれません。勉強になります。
神戸製鋼と新日鉄釜石って、「最強」のイメージが未だに残っています。
ラグビーのルールすら具体的にわからない私ですが、スポーツを愛する気持ちは変わらないと自負しています。日本もラグビーがもっともっと盛り上がってくると良いですね＾＾。そういう時って、誰か劇的なヒーローが必要なのでしょうかね。そんな気もしています～。
こちらからもTBさせてください！
by 参明学士／PlaAri (2005-03-26 08:48) 

参明学士さん、TB、コメント、ありがとうございます。
いやー、重厚なんて書かれると気恥ずかしいです。当時は、神戸製鋼の不甲斐ないゲームに、ただ、ただ情けなさを感じて、自分の思いを書き綴りました。初めての記事、ブログデビューっていったいどうするのだろう？　という迷いもありましたが、とにかくこの時は、「神戸製鋼、しっかりしろ！」と、自分の内なる気持ちをどこかにぶつけたい、という衝動に駆られた勢いで書いてましたね。
ラグビーのルールは分かりにくい、とよく言われますが、そんな細かいことは気にせず、選手たちの力強いタックルや、トライシーンなどを見るだけでも十分に楽しめるスポーツです。日本では、なかなかテレビで見る機会がなく残念ですが、2011年のW杯に日本は招致国として手を挙げています。そういう意味でも、もっと、いろいろなの人たちに知られるための努力はしなくてはなりませんね。注目される選手、劇的なヒーローは確かに必要ですね。
このブログを始めた理由のひとつに、ラグビーをもっと知ってもらいたい、という思いもありましたから、こういう機会をつくっていただいて感謝しています。こちらこそ、よろしくお願いします。
by サファイヤ (2005-03-26 10:57)