ラグビーは、15人で奏でる音楽。 [ラグビー関連イベント、情報など]
以前から、ラグビーは芸術に似ているな、と感じている。
私は中学時代から、アルトサックスを吹いていた。今は、もう吹く機会もなくなってしまったが、当時、こんな風に指揮者を試してみたことがあった。
ある曲の練習中、クラリネットからサックス(つまり私)のパートに主旋律が変わる時、わざと『気持ちを込めずに』続きのメロディを吹いてみた。すると、指揮者は即座に棒を振るのを止めて、こう言った。
「ちゃんと、クラリネットからサックスへ『音』の受け渡しをてください。サックスもクラリネットから、しっかり受け取ってください。」
「やはり、バレタか。」と内心思った。つまり、ただ譜面に書いてある通り、気持ちを込めずぶっきら棒な吹き方をしたのが、指揮者には、伝わったってしまったのである。
そのあと、クラリネットの音を聴きながら、「はい、受け取るよ。」という気持ちで続きを吹いたら、止められることなく練習は続いた。
楽器を吹き始めてた後に、ラグビーと出会ったのだが、音楽もラグビーも、とてもよく似ていると感じる。たぶん、ラグビーだけではなく、ほかのスポーツもそうなのかもしれない。
音楽もラグビーも、同じ演奏、同じゲームは二度とできない。その日のプレイヤーの体調や気分、天候、聴衆や観客が違うからだ。
「気持ち」を込めないと、いい演奏も、いいゲームもできない。
どちらも、曲やゲームに集中してこそ、安定したいい『プレイ』がでるのだ。特に「気持ち」をコントロールすることは、結果として表れる。
つまり、いい演奏か、そうでないか。いいゲームか、そうでないか。
その為に、自分のパート、ホジションの練習することは当然のことだし、他のパート、ポジションのプレイヤーが、どんなプレイをするかという「癖」や「タイミング」を知っておくことも仲間としては、必要である。
音楽は、「音」を繋いで曲を奏でる。
ラグビーは、「ボール」を繋いでゲームを奏でる。
どちらも、プレイヤー同士の『一体感』や『響きあう気持ち』があってこそ、素晴らしいプレイができる。
そういう意味で、ラグビーは芸術なのだと思う。その研ぎ澄まされた、安定感のあるプレイを観たとき、観客は、興奮と喜びと、美しさを感じるのだ。
なるほど!読みごたえありました。
だからこそ、みなをひきつけるのですね。
by nyan (2005-03-25 04:28)
いやいや、まだまだ言葉足らず、表現力の無さに、なんだか納得できない記事なんだけどね。でも、なんとなーく伝わったかなぁ?
nyanさんのそのコメント、ありがたいです。やっぱり、ラグビー好きなんじゃなーい(笑)。
by サファイヤ (2005-03-25 19:21)
TBありがとうございました!記事、とても興味深く拝見しました。
一つの物事を多数の人間と共有すること、さらにサァファイアさんが仰るような「連携」という発想はまさに人間が持ちうる特徴なのだと思います。音楽も、ラグビーもやはり人間しか行うことの出来ない特権ですよね。それは相互の補完関係を必要とした芸術と呼べるものだと感じます。
人が入れ替わるだけでガラっと音楽も、スポーツも雰囲気が変わることがありますよね。サッカーの中村俊介が途中交代してフィールドに立つと流れが変わるというような…。あれも各個人が同じ競技をしている中でも、「個性」という価値があるからこそなのだと思っています。ラグビーの世界でも恐らくそうだと考えています。
人間が思考、意識、目標を共有して進むとき、美しい芸術のエネルギーが咲き誇るのかもしれませんね。
こちらからもTBさせて頂きます。
by 参明学士/PlaAri (2005-03-30 11:14)
>参明学士さん
コメント、TBありがとうございます。興味を持っていただけて、嬉しいです。
記事にも書いてありますが、ゲームを見れば見るほど、「芸術だなぁ」と感じていました。
>人が入れ替わるだけでガラっと音楽も、スポーツも雰囲気が変わることがありますよね。
そのとおりですね。ひとりの“プレイ”がそのゲームの勝敗を分けることもあります。もの凄いタックルをした選手に、チームの仲間が「痺れた」という話も実際にありますから。
その場の雰囲気を変える、それがその人の持つ、「才能」や「個性」といったことだと思います。だから、人間って面白いんですよね。
by サファイヤ (2005-03-30 19:13)