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第1回 「みなとスポーツフォーラム」に行く [ラグビー関連イベント、情報など]

きょう(5月13日)港区と日本ラグビーフットボール協会の主催で行われた、第1回「みなとくスポーツフォーラム 2019年ラグビーワールドカップに向けて」に出席しました。このフォーラム、2019年の日本ワールドカップの年までに、100回開催を目指すらしい。えー!? 100回も!と思いましたが、年に10回やれば100回は不可能じゃないんですね。


さて、本題。第1回のゲストは、ラグビー日本代表ヘッドコーチ ジョン・カーワンです。会場は、いつものイベントやトークライブとは違った雰囲気でした。最初の1時間は、カーワンが話し(通訳あり)、その後の30分は、会場からの質問に答えるというスケジュールでした。

ジョン・カーワン

 

ステージに登場したカーワンは、日本語で「元気ですか?」と会場に挨拶。さらに、招待されていたデフラグビーの選手たちのために、手話でも通訳されていることに感謝の気持ちを表していました。

まず、カーワン自身がW杯に関わった話題、プレイヤーとして2回、ヘッドコーチとして2回の計4回のW杯での経験を話してくれました。

木の間をステップを踏んで練習した話は有名ですが、その時の様子を詳しく話してくれました。これ面白かったです。

第1回W杯前のこと。お父さんにサイドステップの踏み方を聞いた。するとナイフしか使わないピッグハンター(豚を獲る人)がやってきた。それは、お父さんが呼んだ昔の仲間で、その老人から習いなさいといわれた。

その老人とカーワンが公園に行き、老人から400mを10本走れと指示された。次に、3m間隔で2列に6本ずつ並んでいる12本ある松の木の間を走り抜けろと言われ、彼は「簡単だ」とやってみたら「木が僕にタックルをしてきた」(笑)。

次からは、20%の力でサイドステップを踏み、4週間後には100%の力でステップができるようなった。

第1回のW杯に出場することは、ニュージーランド(オールブラックス)にとっては、負けられない大きな責任を感じ、こうして準備万端整えて行く必要があったのだと。

コーチとなってからは、選手たちのメンタル面を盛り上げ、フィジカルを整える使命があると。これは何度も繰り返していました。

そして、イタリアと日本それぞれの文化を尊重し、選手の身になって考える。カーワンが「武士道」を取り入れたのは、そういうことだったんですね。

さらにこんな話も。日本は世界と戦える力がある。自分たちの力を信じる“力”が欠けていた。『勝ちの文化』を選手の心に芽生えさせることが必要だなんだ。

勝ちの文化かぁ。そう言われたら、それを手に入れる方法を知りたい。この質問は当然、お客さんから出てました。

1.選手に現状の値と理想とする値を決め、その目標値を上げていく。どんどんクリアすること。
  
2.日本人らしさをどう活かすか。日本人らしさを取り除いてはいけない。
 速い足、柔軟さ、賢さがある。その特性を活かし、実際に実行することが大切なことだ。

今の日本の選手たちは、フィジカル面ではワールドクラスをクリアしているそうです。フィジカル面ではワールドクラスで戦える、というお墨付きをもらったのならば、あとはメンタル面での強さ、「勝ちの文化」を獲得すれば、日本はもっと強くなれるということなんですね。希望が湧いてきました。

2019年に向けて行うべきことは? という質問には、

1.JRFUが選手をしっかり育成すること。

2.高校、大学生にしっかりコーチングをする。大学ラグビーは、競った試合になるようなシステムにす  る。強豪チームで戦う必要がある。

3.トップリーグが引き続き成長していくこと。国内でも競った試合を毎週やっていく。そうすれば、選手はおのずと強くなってく。

カーワン自身は、2019年には、日本代表の全員が日本人のチームであることを望んでいます。今は、外国人を入れて、とにかく勝ちの文化を芽生えさせることをしているのでしょう。

どれも、そうだよねと言ってしまえば、そうなんですが、大学はなかなか進みませんよね。早急に改善していただきたいものです。

カーワンヘッドコーチの話は、実に示唆に富んで、この国のラグビーを強くしたい、という気持ちがひしひしと伝わってきました。熱い人だな、と改めて感じました。

情熱の源は、素晴らしい仕事に関わっていけること。毎日ベストを尽くす人たちに関われること。

選手たちもこの情熱に応えるべく、日々成長し、いい結果を残していって欲しいものです。

* ここに書いた内容は、通訳を必死に聴いたもの(なんたって英語は天敵ですから!)なので、多少、意味合いが違っているかもしれませんがご容赦ください。

第2回は、2010年6月21日(月) 19時~20時30分 麻布区民センターホール(港区六本木)にて。 
講師は、橋本聖子さんです。

◎追記 5/14
PLANET SURFさんのエントリー記事に、より詳しく上手にまとめて書かれています。いつものことながら、さすがだなぁ。


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aranjues

>>フィジカル面ではワールドクラスをクリアしているそうです。
ほんとかな~~。草食系男子が増殖してる現状はラグビー界に
とっては決して歓迎できる流れではないですね。
カーワンさんの熱さが少しでもラグビーファンを増やしてくれるといい
ですね。
by aranjues (2010-05-14 15:07) 

こうちゃん

なかなか、いい男ですね。
by こうちゃん (2010-05-14 17:51) 

木鶏

東京に住んでいると、ラグビーを多角的に見たり感じたりできて、
サファイヤさんが羨ましいです^^
10年前に東京に住んでいた頃は、こんな立派な企画あったかなぁ~

勝ちの文化-culture-を根付かせること・・・ 個々は勿論なのでしょうが、
組織にカルチャーとなるとほんとっ、難しいですよね。。。

強い選手、チームを作るためには、選手サイドだけではなく、ラグビー
ファンが増えてスタジアムを一杯にすることも大事かと・・・
特に、花園。 危機的状況ですね^^;
by 木鶏 (2010-05-14 20:46) 

サァファイヤ

☆aranjuesさん
昨日の話だと、現在の日本代表選手はクリアしている、と私は解釈しています。
幸いなことに私の周りには、草食系男子が見当たらないので(肉食系男子 多し 笑)、あまり実感がないのですが、もし増殖ているのだとしたら、ラグビー界にとっても、他のスポーツにとっても選手の確保が難しくなってきますね。

ジョン・カーワンの情熱もそうですが、日本ラグビーフットボール協会を始め、ラグビーに関わる人間が行動を起こす必要がありますね。ファンも含めて。
by サァファイヤ (2010-05-14 22:59) 

サァファイヤ

☆こうちゃん
そうなんですよ。この日のカーワンHCは、素足に靴を履いて登場。「イタリアンスタイル」と言っていましたよ。おしゃれに決まってました。
by サァファイヤ (2010-05-14 23:05) 

サァファイヤ

☆木鶏さん
10年前には、こんな企画はなかったと思います。なんたってラグビー協会は閉鎖的な団体で有名でしたからね。
TLが始まった頃あたりから、いろいろなイベントも開催されるようになってきたような気がします。そして2019年の日本開催に向けて、選手の強化、拡大、ファンへの告知などなど、様々なことが求められていますね。

勝ちの文化。これは一朝一夕にはできないでしょう。きつい競ったゲームを多く経験して、だんだんと獲得していくしかないですね。

>ラグビーファンが増えてスタジアムを一杯にすることも大事かと・・・
その通りですね。今回のアジア五カ国対抗戦も、先日の秩父宮の入りは寂しかったです。日本代表のゲームの観客が、これでいいのか? と考えてしまいました。
by サァファイヤ (2010-05-14 23:33) 

HAL

武道の達人のもとに修行に行ったような、、、だね!!
by HAL (2010-05-15 14:49) 

rugbyhead(改名します)

 Jリーグが必ずしも成功しているとは言えませんが、地域密着の概念はラグビー界も学んで良いのでは?いまだに特定に地域に密集しすぎだし、トップリーグの下の地域リーグは得点差が大きすぎて時間の無駄な試合ばかりです。再編成したらいいのに。

 大学は更に一極集中ですから、リーグ、トーナメントを再編成が急務でしょう。ただ、協会の人が関東の大学出身者ですから、学閥で出身大学が不利になり改革はしながらない、と推測していますが。
by rugbyhead(改名します) (2010-05-16 10:24) 

柴犬陸

「自分たちの力を信じる力」「勝ちの文化」。。。
どれも、含蓄のある言葉ですね。
痛いところをついています。
by 柴犬陸 (2010-05-17 16:11) 

ふじかわ

勝ちの文化ですかぁ。
by ふじかわ (2010-05-17 19:43) 

サァファイヤ

☆HALさん
そうですね。ラグビーなのに、武道?って思いますけど、
実は日本のよき文化があることを、JKが気づかせてくれたんですね。

☆rugbyheadさん
地域密着型良いと思います。
TLの場合、地域といっても偏りがありますが、それでも地元の方たちへ何らかの訴求をすることは、地道にやっていくべきでしょう。

大学の改革したがらない、出身大学が不利。
↑ 日本のラグビー強くするという、大きな目的の為には、犠牲には目をつむる。そういう度量が大学関係者には求められるでしょう。
by サァファイヤ (2010-05-21 23:58) 

サァファイヤ

☆柴犬陸さん
日本人は一所懸命、海外の真似をして追いつこうとしていたのに、
カーワンは、日本人の良さを活かせと。
外国人だからこそ、こういう発想ができたのでしょうね。
HCとしての熱意を感じます。

☆ふじかわさん
そう、勝ちの文化です。
得るのは時間がかかるでしょうが、日本ラグビーは着実に順位を上げてきているんですよ。(^_^)
by サァファイヤ (2010-05-22 00:06) 

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